老後の支えとなるのはやはり公的年金

国の年金制度について正しく理解しておきましょう。

公的年金制度は自分が「払った分をもらう」制度ではありません。「働けなくなったら加入の条件に応じて年金をもらう」制度であって、高齢者に限った制度ではありません。

だから、年金制度には障害年金や遺族年金が含まれているわけです。
公的年金については「将来もらえつか不安」と思っている人も少なくないでしょう。

国の予算でプライマリバランスがマイナスだとか、高齢者の医療や介護といった社会保障費が年々増加するニュースなどを聞くと、国の予算は破綻するのでは考える方も思いますが、実際には破綻リスクはほとんどないと考えていいのです。

「老後の一番の財産は公的年金収入」だということは知っておくべきです。老後のメイン収入はどんな時代が来ようとも、やっぱり年金なのです。

■仕事をせずとも夫婦で月22万円をもらえる
公的年金の加入者は65歳を迎えると国が年金を支給します。このとき、標準的な世帯(会社員と専業主婦)の場合、月額のモデル年金額は22.1万円です。
さらに、この年金額は「終身」で支払われるところに本当のすごみがあります。「保険料を納めた額」をもらうのではなく、個々の人生の長さに応じてもらえるからです。このため、70歳前後で亡くなられた方と、90歳以上長生きした方では受取総額が異なってきます。

何歳まで生きられるかは「神のみぞ知る」です。長生きする限り、絶対に必要となるランニングコストを国が払い続けてくれる仕組みが年金なのです。

■共働き正社員夫婦なら老後の豊かさは広がる
公的年金収入は一人ひとり異なります。自営業者らが加入する国民年金は未納状況に応じて減額されます。会社員らが加入する厚生年金は加入年数が長いほど、高い保険料を納めたほど、将来の年金額が増額されます。
また、夫婦がともに厚生年金に加入していた場合、ダブルで厚生年金をもらえますから、老後の豊かさはぐっと広がります。先ほどのモデルは専業主婦を想定していましたが、夫婦ともに共働きで正社員であれば、月額30万円くらいに増える可能性があります。

■要注意は「お一人さま」「自営業」等々
ただし、この安心は会社員の夫婦の話です。自営業者は国民年金しか老後の収入がありませんから、満額であっても年間77万円程度です。任意加入の国民年金基金、個人型確定拠出年金(iDeCo)、小規模企業共済など使える手段はフルに使って老後に備える必要があります。
また、会社員でもお一人さまは夫婦合計の年金ではなく1人分の年金ですから、月15.6万円程度です。これもやはり、iDeCoなどで老後の備えが必要でしょう。
さらに要注意なのは現役時代の生活水準が高くなり油断をしていると年金だけではまったく生活できない、ということになります。

やはり、計画的な蓄財を行いつつ、生活レベルのギヤをシフトダウンすべきです。